電力を最長5日間供給 古河電池株式会社開発のマグネシウム空気電池
2019年3月7日、福岡 – エコマリンパワー株式会社(EMP社)は、古河電池株式会社(古河電池社)および船主数社と協力して、非常用マグネシウム空気電池を使った船上での評価試用を実施しています。今回の試用は、この革新的な非常用電池を船上でどのように保管し使用することが最適かの判断に役立ちます。この作業が完了すれば MgBOX を世界中のさまざまな船やオフショアプラットフォーム、その他の海洋用途に使用できるようにする予定です。
MgBOX は古河電池社が開発した、小型で携帯可能な非常用マグネシウム (Mg) 空気電池です。MgBOX は長期間保管でき、水道水や海水を加えるだけで発電します。発電後はUSBアダプターを経由して最長で5日間電気を供給します。USBアダプターに接続できる機器は、小型ライト、携帯電話、スマートフォンなども含まれます。USBアダプターは MgBOX 内に入っており、小型の携帯機器を複数回充電することができます。
船上では、複数の MgBOX を、操舵室やエンジン制御室(ECR)、乗務員居住域、非常時に乗客が集合する場所などの複数個所に保管することができます。水を加える前の MgBOX の重量は1.6kgしかないので、棚などの色々な場所に保管し、必要な場所に容易に移動させることが出来ます。
古河電池社は2011年の東日本大震災を機に MgBOX の開発に着手。東日本大震災の際、福島県いわき市にある古河電池社の工場が被災し、人々は停電の中取り残されました。これを受け MgBOX の開発を開始し、2014年に日本で初めて発売されました。
2014年、ヨーロッパでフェリーが座礁し、乗客は明かりのない暗闇の中に取り残されるという事故の後、EMP社は非常用電源オプションについて調査を開始しました。エコマリンパワー社の最高技術責任者、アトキンソン・グレッグは「当社の Aquarius マリンソーラーパワーは、かなりの量の補助電力および非常用電力を供給できるソリューションですが、軽量の携帯可能なオプションも必要としていました」と述べ、「古河電池社との会合の後、MgBOX が理想的なソリューションであることはすぐに明白になり、海水を含む水で発電できるという事実は、船上での使用に最適だと言わざるを得ません」と続けました。
船主からのフィードバックおよびさらなる研究を経て、MgBOX は2019年半ばまでに世界中の海洋用途で利用可能になる見込みです。
MgBOX のさらなる情報は MgBOX マグネシウム空気電池 をご覧ください。
エコマリンパワー株式会社について
エコマリンパワー株式会社(EMP)は、国際性に焦点をあてたテクノロジー企業で、旅客フェリーや調査船、オイルタンカー、貨物船などの船舶用に、再生可能エネルギーを基にした燃料節約と排ガス低減ソリューションを開発しています。これらテクノロジーには、EnergySail®(特許取得済)や Aquarius MAS、Aquarius MRE®(特許取得済)があります。
EMP社は、最新の再生可能エネルギー技術を組み入れた持続可能シップコンセプトを開発し、Aquarius エコシップや Aquarius 無人水上船(USV)などのデザインプロジェクトにも取り組んでいます。拠点は福岡。
エコマリンパワー社についての詳しい情報は www.ecomarinepower.com をご覧ください。
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尾島 美紀
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